STRENGTH ARTS
RPE(自覚的運動強度)を用いたオートレギュレーション
ADVANCED PROGRAM 11 minLEVEL: 上級

RPE(自覚的運動強度)を用いたオートレギュレーション

その日の体調に合わせて重量を自動調整する次世代のプログラミング

SA
STRENGTH ARTS LAB
VER 1.0.0

「今日は絶対に100kgを5回挙げなければならない」。従来のパーセンテージベースのプログラムは、ロボットには完璧に機能しますが、人間には機能しない日があります。睡眠不足、仕事のストレス、栄養状態などによって、私たちの筋力は日々変動します。その日の「実際の調子」に合わせて重量とボリュームを自動調整するシステムが、RPEを用いたオートレギュレーションです。

01RPE(Rating of Perceived Exertion)のスケール

RPEは「自覚的運動強度」のことで、1から10のスケールで「そのセットがどれくらいキツかったか」を数値化します。筋力トレーニングにおいては「あと何回挙げられたか(RIR: Reps in Reserve)」で判断します。

・RPE 10:絶対にもう1回も挙がらない限界状態。 ・RPE 9:あとギリギリ1回だけなら挙げられた状態。 ・RPE 8:あと2回は挙げられた状態。 ・RPE 7:あと3回は挙げられた状態。

この主観的な指標を用いることで、その日の体調に合わせた「本当の適正重量」を見つけ出すことができます。

02オートレギュレーションの実践例

例えば、今日のメニューが「5回 × RPE 8」だとします。

ウォーミングアップをしながら重量を上げていき、100kgを5回挙げた時、「あと2回(合計7回)なら挙げられたな」と感じたら、それが今日のRPE8の適正重量です。もし昨日寝不足で、90kgで「あと2回が限界」と感じたら、今日の適正重量は90kgになります。

このように、決められた重量に固執するのではなく、RPEという感覚センサーを使って重量を調整することで、オーバートレーニングを防ぎ、怪我のリスクを劇的に下げながら、長期的な成長を確実なものにします。

03疲労管理と「トップセット&バックオフ」

一般的なRPEプログラムでは、まずその日の調子を測るための「トップセット(例:1セットだけRPE8で重いものを挙げる)」を行います。

その後、そのトップセットの重量から10%〜15%ほど重量を落とし、フォームの練習とボリューム稼ぎのための「バックオフセット(例:3セット)」を行います。これにより、神経系を疲労させすぎることなく、十分なトレーニング刺激を得ることができます。

【コツ】RPEの精度を高める

初心者のうちは、自分に「あと何回できるか」を正確に見積もることができず、RPEを低く(実際は限界なのに「あと3回できる」と)見積もりがちです。RPEを導入する前に、何度か限界(潰れるまで)トレーニングを行い、「本当の限界の感覚」を知っておく必要があります。

まとめ

私たちは機械ではありません。日々の波を受け入れ、身体の声を正確に聞き取るRPEシステムをマスターすれば、怪我なく生涯にわたって成長し続けることが可能になります。