「クランチ」は腹直筋(特に上部)を鍛えるための基本種目です。しかし、多くの人が「上体を床から高く持ち上げること」を目的としてしまい、結果として腹筋には効かず、首や腰を痛めています。
01上体を「起こす」のではなく「丸める」
クランチの最大の目的は、みぞおち(肋骨)をおへそ(骨盤)に近づけることです。
背中全体が床から離れるほど高く上体を起こす(シットアップ)と、途中から腹直筋の収縮は終わり、代わりに股関節の筋肉(腸腰筋や大腿直筋)が働いてしまいます。
肩甲骨が床から数センチ浮く程度の高さで十分です。それ以上上げる必要はありません。大切なのは「高さ」ではなく、背骨(胸椎)がどれだけ丸まっているかという「屈曲の角度」です。
- 肩甲骨が床から離れれば、腹直筋上部の収縮はほぼ完了している
- それ以上高く上がろうとすると、股関節の筋肉に負荷が逃げる
02首が痛くなる原因と対策
クランチ中に首の前後が痛くなるのは、腹筋の力が足りない分を、首の筋肉(胸鎖乳突筋など)を使って頭を無理やり引っ張り上げようとしている証拠です。
頭の後ろで両手を組み、手で頭の重さをしっかり支えて(ハンモックのように包み込んで)ください。ただし、手で頭を前に押すのではなく、あくまで「重さを支えるだけ」にし、目線はおへそに固定します。
- 手で頭の重さを支え、首の筋肉をリラックスさせる
- あごを引きすぎず、テニスボール1個分の隙間を空ける
03腰(腰椎)を床に押し付ける
動作中、腰(腰椎)は常に床にピッタリと押し付けられた状態(骨盤の後傾)を維持しなければなりません。
腰と床の間に隙間(アーチ)ができると、腹直筋が引き伸ばされて力が抜け、腰椎に過度な負担がかかります。息を吐きながら下腹部を床に沈み込ませる意識を持って、上体を丸めてください。
足を固定するシットアップの危険性
誰かに足首を押さえてもらったり、ベンチに足を固定して行う腹筋運動(シットアップ)は、股関節の筋肉(腸腰筋)が強烈に働き、腰椎を前方に引っ張るため腰痛のリスクが非常に高いです。足は固定せず、膝を曲げて床に置くか、空中に浮かせて行いましょう。
まとめ
クランチは可動域が非常に狭い(小さな動きの)種目です。高く起き上がるというエゴを捨て、「肋骨と骨盤を近づけて強く絞り込む」ことだけに集中してください。
