ベンチプレスにおいて、降りてくる重たいバーベルを「胸の筋肉で受け止めよう」とすると関節に衝突のダメージが生じ、挙上も停滞します。合気道の「結び」と「受け流し」の概念を応用し、バーベルを自らの身体の一部として同化させ、その落下エネルギーを胸郭からベンチ台、そして地球へとスルーさせて反発力に変える、全く新しいベンチプレス・プロトコルです。
01フェーズ1:結びと受け流しの習得
第1週と第2週は、ボトムでの「ポーズ・アンド・シンク」を行います。バーベルの重さを大胸筋で耐えるのではなく、胸郭のアーチから背中、そしてベンチ台のシートへと完全に通過させます。
バーベルを金属の塊として敵対視するのではなく、自分の腕の延長として認識し、恐怖心を消して手のひらの抵抗をゼロにします。
02フェーズ2:慣性の反転とウェーブ
第3週と第4週は、スリングショット等の補助具を用い、受け流したエネルギーがベンチ台から跳ね返ってくる強力な反発(弾性エネルギー)を利用する感覚を脳に記憶させます。
力で押し上げるのではなく、跳ね返ってくる物理的な波(ウェーブ)に乗せて、バーをトップへとシームレスに送り届けます。
03武術的パラダイムシフトの完成
このプロトコルを修了すると、100kgのバーベルがまるで生き物のように軽く、滑らかに動く感覚を味わうことができます。
スティッキングポイントという概念すら消失し、ボトムからトップまで一気呵成にバーが舞い上がるようになります。
【極意】力ではなく「調和」で挙げる
重力に逆らって筋肉の力で押し上げようとするのはエネルギーの無駄遣いです。重力のベクトルと仲良く同調し、吸収した落下エネルギーをそのまま推進力へと変換する「調和」の境地を目指してください。
まとめ
合気的ベンチプレスは、大胸筋を肥大させるための種目ではありません。圧倒的な物理的重圧に対して、力で抗うのではなく受け流すという、極めて哲学的な身体対話なのです。
