ハムストリングスは長い筋肉であり、「お尻に近い上部(近位)」と「膝に近い下部(遠位)」で、筋肉が肥大しやすい種目が全く異なります。美しい裏ももを作るには、この2つの領域を別々の種目で攻撃する必要があります。
01ハムストリングスの解剖学的特性:長大な2関節筋
ハムストリングス(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)は、骨盤(坐骨結節)から膝下(脛骨・腓骨)まで繋がっている非常に長い筋肉です。
股関節と膝関節の両方を跨いでいるため、「股関節を伸ばす(伸展)」働きと、「膝関節を曲げる(屈曲)」働きの両方を持ちます。
筋肉が長すぎるため、一つの種目で筋肉の「上部(お尻に近い近位)」から「下部(膝に近い遠位)」まで均等に強い刺激を与えることは物理的に不可能です。
- お尻側(近位)と膝側(遠位)で、筋肉が肥大しやすい種目が全く異なる
- 美しい裏ももを作るには、2つの領域を別々の種目で攻撃する必要がある
02近位(上部)の発達:股関節伸展(RDL等)
ルーマニアンデッドリフト(RDL)やグッドモーニングなど、膝を固定して股関節から折り曲げて強いストレッチをかける種目は、ハムストリングスの「上部(お尻との境界線)」を強烈に肥大させます。
これにより、お尻の丸みと裏ももの境目がくっきりと分かれた、立体的で力強い後面(ポステリアチェーン)が完成します。
ストレッチ刺激がメインとなるため、筋肉への微細な損傷が大きく、強烈な筋肉痛を引き起こしやすいのが特徴です。
- 股関節を支点にする種目(RDL等)は、ハムの上部(近位)に直撃する
- ビキニ競技の選手や後ろ姿の迫力を出したいビルダーには必須のアプローチ
03遠位(下部)の発達:膝関節屈曲(カール等)
シーテッド(座り)やライイング(うつ伏せ)のレッグカールなど、膝関節を支点にして曲げる種目は、ハムストリングスの「下部(膝の裏側)」の筋腹を分厚く発達させます。
横から脚を見たときに、太ももの裏側がドーム状に丸く膨らんでいる迫力は、このレッグカールによる遠位の肥大によってのみもたらされます。
シーテッド vs ライイング
最新のバイオメカニクス研究では、股関節が90度に曲がった状態でハムストリングス全体がプレストレッチされる「シーテッド(座り)」のレッグカールの方が、うつ伏せで行うライイングよりも筋肥大効果が高いことが示されています。
まとめ
ハムストリングスのトレーニングは、常に「RDL系」と「レッグカール系」をセットで考える必要があります。パズルのピースを埋めるように、上部と下部を完成させてください。
