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エクササイズテクニック

フリーウエイト、マシン、および不安定環境下のトレーニング

バーベル等のフリーウエイトと、軌道が固定されたマシンの違い。さらに、バランスボール等を用いた不安定環境でのトレーニングのメリットとデメリットについて。

1. フリーウエイトトレーニングの長所

バーベルやダンベルを用いたフリーウエイトの最大の利点は、軌道を自分自身の筋肉で制御しなければならない点にあります。重りを安定させるために、主働筋だけでなく「スタビライザー(安定筋群)」が強く動員されます。また、立位で行う種目(スクワットやスタンディングプレス)では、足の裏から体幹を通り、手先へと力を伝える「運動連鎖(キネティックチェーン)」が養われます。これらはスポーツの実際の動きに非常に近いため、競技パフォーマンスへの「転移効果(特異性)」が極めて高いのが特徴です。

2. マシントレーニングの長所と役割

一方でマシントレーニングは、軌道がカムや滑車によって完全に固定されているため、重りを落としたりバランスを崩したりする危険性が低く、スポッターも原則不要です(安全性の高さ)。また、特定の筋肉(主働筋)だけをアイソレート(孤立)して追い込むことに優れています。そのため、スタビライザーが弱っている怪我人のリハビリ初期や、フォームが定まっていない初心者の導入、あるいはボディビルダーのような純粋な筋肥大目的の仕上げとして非常に有効なツールです。

3. 不安定環境下でのトレーニング(バランスボール等)

スイスボール(バランスボール)やBOSUボールなど、ぐらぐらする不安定な面の上でエクササイズを行う手法があります。この最大のメリットは、体幹(コア)の筋肉が姿勢を維持しようと強く活性化されることです。リハビリやコアの安定性向上には有効です。
しかし、致命的なデメリットが存在します。それは「不安定な環境下では、発揮できる筋力(力出力)とパワーが大幅に低下する」ということです(安定した床で行う場合の約70%程度まで落ちるとされます)。そのため、アスリートの「最大筋力」や「最大パワー」を高める目的で、不安定なボールの上でスクワットをさせるといったアプローチは、怪我のリスクが高いだけでなく、負荷が軽すぎてトレーニング効果が得られないため不適切とされています。

4. オープン・キネティックチェーンとクローズド・キネティックチェーン

四肢の末端(手や足)が固定されておらず自由に動く種目を「オープン・キネティックチェーン(OKC:例、レッグエクステンション)」、末端が床やバーに固定され、自分の身体の方が動く種目を「クローズド・キネティックチェーン(CKC:例、スクワット)」と呼びます。CKCエクササイズは複数の関節が同時に動き、実際のスポーツ動作に近いため、CSCSのプログラムデザインにおいてはCKC(かつフリーウエイト)を優先的に選択することが推奨されます。

理解度チェック:例題

Q. アスリートの「最大筋力」と「最大パワー」を向上させることを主目的とした場合、バランスボールの上に乗って行うスクワットは推奨されるでしょうか?

▶ 答えと解説を見る

A. 推奨されない

解説: 不安定な環境下では、身体はバランスをとるために筋出力を抑制してしまうため、最大筋力を向上させるのに十分な高重量(過負荷)を扱うことができず、パワー発揮も著しく低下するため、目的と手段が合致していません。硬く安定した床(プラットフォーム)の上で行うべきです。

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