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エクササイズテクニック

パワーエクササイズ(クイックリフト)の基本

「トリプルエクステンション」を用いて全身の爆発的なパワーを高める最高のエクササイズであるパワークリーンやスナッチ。その複雑な動作のフェーズと注意点について。

1. パワーエクササイズの目的とトリプルエクステンション

ウエイトリフティング競技の種目(クリーンやスナッチ)をスポーツの補強として取り入れたものを「パワーエクササイズ(クイックリフト)」と呼びます。この種目の最大の目的は「パワー(力×速度)」と「全身の神経系の連動」を高めることです。動作の核心は、股関節・膝関節・足関節の3つの関節を一瞬で爆発的に伸ばす「トリプルエクステンション(三重伸展)」にあります。これは、スプリント(ダッシュ)やジャンプの踏み切りと全く同じ身体の使い方であり、だからこそすべてのアスリートにとって競技力向上(転移)効果が極めて高いのです。

2. パワークリーンの動作フェーズ

パワークリーンの複雑な動作は、以下の4つのフェーズに分解して指導されます。
ファーストプル(第1の引き):床から膝の直上までバーを引き上げます。この時、背中の角度(前傾姿勢)は変えず、下半身(大腿四頭筋)の力だけで力強く押し込みます。腕の力は一切使いません。
トランジション(スクープ):バーが膝を通過した直後、膝を再び少し前に曲げ、バーを太ももの上部(ポケットの位置)に引きつけます。爆発的なジャンプへの「タメ」を作る局面です。
セカンドプル(第2の引き):ここで一気に「トリプルエクステンション」を行います。真上に向かって強烈にジャンプするように関節を伸ばし、同時に肩をすくめる(シュラッグ)ことで、バーに無重力状態のような強い上向きの推進力を与えます。
キャッチ:推進力で浮き上がったバーの下に素早く身体を沈み込ませ(潜り込み)、手首を返して肩の前面(前三角筋と鎖骨)でバーをクオータースクワットの姿勢で受け止めます。

3. スナッチとの違い

スナッチは、バーを床から一気に頭上(オーバーヘッド)まで引き上げてキャッチする種目です。パワークリーンよりもバーを高く移動させる必要があるため、グリップ幅を「非常に広く(ワイドグリップ)」握ります。グリップ幅が広いほど、開始時の身体の姿勢が低くなり、より大きな引き上げ距離を確保できるからです。

4. 指導上の注意点(腕で引かない)

初心者が陥りやすい最大のミスは、セカンドプルでバーを浮かせようとする際、下半身の爆発力を使わずに「腕の力(上腕二頭筋)でバーを曲げて引き上げようとしてしまう」ことです。パワーエクササイズにおいて、腕は単なる「バーと身体を繋ぐロープ」に過ぎません。トリプルエクステンションが完了する(肩がシュラッグされる)まで、肘は絶対に曲げてはいけません。

理解度チェック:例題

Q. パワークリーンやスナッチなどのパワーエクササイズにおいて、最も爆発的な力(推進力)がバーに伝達される、股関節・膝関節・足関節が同時に伸展する局面を何と呼ぶでしょうか?

▶ 答えと解説を見る

A. セカンドプル(およびトリプルエクステンション)

解説: ファーストプルはあくまでセカンドプルのための準備段階(位置エネルギーの獲得)であり、バーの速度が最大になるのはこのセカンドプルでのトリプルエクステンションの瞬間です。

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