マラソンやトライアスロンだけでなく、フィールド競技の基礎体力作りにも欠かせない有酸素トレーニング。LSDからHIITまで、目的の異なる5つのトレーニング手法を解説します。
有酸素性プログラムは、以下の4つの変数で構成されます。
・F (Frequency: 頻度):週に何回行うか。
・I (Intensity: 強度):どれくらいきついか。心拍数、酸素摂取量(VO2)、RPE(自覚的運動強度)で管理します。
・T (Time: 時間):1回のセッションの継続時間。
・T (Type: 種類):ランニング、自転車、水泳などの様式。
① LSD(Long Slow Distance)
会話が可能な程度の低い強度(最大心拍数の約70%)で、実際のレース距離(または時間)よりも長く(30分〜2時間以上)行います。心臓のポンプ機能の強化、毛細血管の増加、そして「脂肪」をエネルギーとして使う能力(酸化能力)を高めます。
② ペース/テンポ・トレーニング(LTトレーニング)
乳酸が血液中に急激に溜まり始めるポイントである「乳酸性作業閾値(LT)」ちょうどの強度で、20〜30分間持続して走ります(またはインターバル形式)。この強度のペースに身体を適応させ、LTの閾値を右(より高い速度)へ引き上げることが目的です。
③ インターバルトレーニング
最大酸素摂取量(VO2max)の90〜100%という非常に高い強度で3〜5分間運動し、運動と同じ時間(1:1)の休息を挟んで繰り返します。有酸素性能力の限界(VO2max)を引き上げるのに効果的です。
④ レペティショントレーニング
VO2maxを超える極めて高い強度で、30秒〜1分間走ります。運動時間の5倍(1:5)もの長い完全休息を挟みます。有酸素能力に加え、無酸素性能力とランニングエコノミー(走の経済性)を高めます。
⑤ ファルトレク(Fartlek)
スウェーデン語で「スピード遊び」を意味し、LSDの中にランダムなペースアップを組み込む、自由形式のトレーニングです。地形(丘陵など)を利用して楽しみながら様々なエネルギー系を刺激します。
重要なレースの直前(数日から数週間前)に、トレーニングの「強度(スピード)」は維持したまま、「ボリューム(走行距離や時間)」を段階的に減らしていく技術をテーパリングと呼びます。これにより、フィットネスレベルを落とさずに疲労だけを完全に抜き、レース当日にピークパフォーマンスを発揮することができます。
Q. 血液中の乳酸が急激に蓄積し始める強度(スピード)に身体を適応させ、レースにおける持続可能な巡航ペースを引き上げることを主目的とした有酸素トレーニングの手法はどれでしょうか?
A. ペース/テンポ・トレーニング(閾値トレーニング)
解説: 乳酸性作業閾値(LT)ちょうどの強度で行うことで、乳酸の処理能力を高め、より速いペースで走っても「息が上がりにくい(乳酸が溜まらない)」身体を作ることができます。