「事故が起きたときに誰が何をするか」。施設ごと・グラウンドごとに作成される緊急時対応計画の策定手順と、安全な監視のためのスタッフ比率の基準について。
施設内で安全な監視と指導を行うためには、コーチ1人が同時に見るべきアスリートの人数(比率)の上限が定められています。
・中学生(ジュニア): 1 対 10
・高校生: 1 対 15
・大学生およびそれ以上: 1 対 20
この比率を超えて指導を行うと、安全なスポッティングやフォームの修正が追いつかず、事故のリスクが跳ね上がります(監督義務違反に問われる可能性があります)。
緊急時対応計画(EAP: Emergency Action Plan)は、心停止、重大な外傷、火災などの緊急事態において「誰が、いつ、何をするか」を定めたマニュアルです。
・施設ごとの策定:ウエイトルーム用、陸上トラック用、体育館用など、活動場所ごとに個別のEAPを作成する必要があります(救急車の進入ルートやAEDの場所が異なるため)。
・役割分担:誰が救急車を呼ぶか(通信者)、誰が応急処置を行うか(ファーストレスポンダー)、誰が救急隊を誘導するかを明確にします。
EAPは「紙に書いて終わり」では法的に不十分です。スタッフ全員が参加する実地のリハーサル(訓練)を最低でも年に数回(理想的には四半期ごと)実施しなければなりません。
また、AED(自動体外式除細動器)と救急箱は、施設のどこからでも「徒歩1.5分以内(往復3分以内)」でアクセスできる場所に設置されているべきです。
怪我が発生した場合は、速やかに応急処置(RICE処置など)と救急要請を行い、事態が落ち着いた後「直ちに(通常24時間以内)」事故報告書(Injury Report)を作成します。人間の記憶は薄れるため、目撃者の証言や当時の状況を正確に記録し、訴訟リスクに備える必要があります。
Q. NSCAのガイドラインにおいて、ストレングス&コンディショニング施設での「高校生」に対する安全な指導比率(スタッフ:アスリート)の上限はどれでしょうか?
A. 1 対 15
解説: 中学生は1:10、高校生は1:15、大学生は1:20が基準です。年齢や経験が低いほど、より密接な監督と指導が必要となります。